この記事は、フィルムカメラを始めてみたいけど、まだ挑戦できていない人に向けた内容です。
フィルムは究極の自己満
デジタルカメラ(主にミラーレス)や携帯電話のカメラ機能が著しく進化した今では、フィルムカメラで撮ることは趣味の
2020年頃から急激にフィルム代が高騰し、1本1,000円を超えることが当たり前になりました。ランニングコストの面で考えると、絶対にデジタルカメラの方がお得です。
それを分かった上で、フィルムカメラを始めるわけですから単なる自己満足に過ぎないわけです。他人に迷惑掛けず、法に触れさえしなければ、何したって構いません。自由に撮りましょう。
これから説明する「やってはいけないこと」は、フィルムカメラ初心者がやりがちなミスを取り上げたものです。
やってはいけないこと
撮りきる前に裏蓋を開ける
わざと裏蓋を開けて意図的に感光(ライトリーク)させる技法もありますが、普通の写真を撮りたいなら絶対にやめましょう。
途中でフィルムを変えたくなったら、巻き戻しボタンを使ってフィルムをパトローネ(筒)の中に戻してからにしてください。
フィルムピッカーを使って先端(ベロ)を出し、撮った枚数+1、2回空シャッター*1を切れば再び使うことができます。

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入れているフィルムと異なるISO感度を設定する
ISO 400/27°のフィルムをISO 100/21°の設定で撮ると、本来の適正露出よりオーバー(明るめ)に撮影してしまうことになります。
また、その逆でISO 100/21°のフィルムをISO 400/27°の設定で撮影した場合、アンダー(暗め)に写ってしまいます。
※ネガフィルムの場合、
※期限切れフィルムを使う場合、1、2段下のISO感度を設定することもあります(感度が落ちているため)
(手巻きの場合)巻き戻しボタンを押さずに無理やり回す
フィルムを送るための穴(パーフォレーション)が切れます。
データ化を断られる場合もあるので注意してください(1コマずつスキャナに通す必要があり、非常に面倒な作業)。
※レンズ付きフィルム(写ルンですなど)の場合は、巻き上げ=巻き戻しなのでパーフォレーションが切れる心配はありません
(一眼レフ以外の場合)パララックスに注意
一眼レフ以外のフィルムカメラにはファインダー像と実際に写る像とのズレ(視差、パララックス)が必ず存在します。
少しズレているだけなので風景スナップではそこまで気にする必要もありませんが、近い被写体を撮影するときは注意しましょう。
トイカメラやレンズ付きフィルムを被写体に近づける
ピントが合いません。1m以上離れて撮りましょう。トイカメラやレンズ付きフィルムはピントが合っているように見える範囲が広い(被写界深度が深い)ので、とりあえず離れておけば問題ありません。
※あまりにも離れすぎると、フラッシュが届かなくなります
フィルムを入れ忘れる
デジタルカメラにメモリーカードを入れ忘れて撮影する失敗(カードなしレリーズ)はほとんど起きませんが、フィルムカメラでは普通にシャッターを切れてしまいます。
フィルムの入れ忘れには注意しましょう。
現像後のフィルムは取っておくべき?
データ化・プリントした写真より大きく引き延ばしたくなった場合は高解像度でスキャンしなおす必要があるので取っておいて損はありません。
また、銀塩写真(デジタルカメラからの銀塩プリントも含む)や現像後のフィルムは東日本大震災の大津波でも数多くが蘇った(修復できた)といわれています。
Amazon Photosの無制限バックアップなどクラウドストレージが普及している世の中ですが、実物が残ることは素晴らしいですよね。
フィルムカメラ禁止のイベントもあります
・フィルムカメラ、チェキカメラでの撮影は禁止
引用元:https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02b82kidvxs21.html
その際は潔くデジタルカメラや携帯電話を使いましょう。引用元の撮影会に参加している羽月かのんさん曰く「スタッフの判断で画像を削除することができないから」らしいです。
これに関して、私は反対意見を述べたいところですが、ルールはルールです。
- デジタルデータは削除しても復元が容易(物理破壊や完全削除まで行うとは到底思えません)
- フィルムなら感光・没収が可能(法律上、認められている行為かは不明)
フィルムに関する勘違い
現像する店によって仕上がりが違う→△
現像は決まったプロセス(カラーネガフィルムの場合、C-41やCN-16)で自動的に処理されるので、どこの店に出しても現像結果は同じになります。
現像後のデータ化・プリントの仕上がりはスキャナやオペレータ(作業を行う人)によって異なります。
フィルムはデジタルに劣っている→△
どちらも一長一短があるので、その時の被写体・状況に応じて使い分けるのが正解です。
主目的は「フィルムを使うこと」ではなく「写真を撮ること」です。
写ルンですはインスタントカメラ→×
写ルンですはインスタントカメラではなく、レンズ付きフィルム(使い捨てカメラ)です。
インスタントカメラはinstax(チェキ)やポラロイドなど、撮影直後にすぐ現像・プリントが行われるフィルムカメラやデジカメ搭載小型プリンタを指します。

Peel the Apple 春海りお
アイドルの特典会などでは「チェキ」がよく使われていますね。
チェキ本体やチェキフィルムは家電量販店に行けば大抵どこでも手に入るので、入手のしやすさで選ぶなら「写ルンです」より「チェキ」がおすすめです。
エモい→△
過去の私と矛盾していますが、エモさ・ノスタルジーはフィルムを使ったからといって必ず出せるものではありません。
逆にRAW撮影ができるデジタルカメラでRAW現像を追い込むほうが、よっぽど自分好みの仕上がりにできあがるはずです。
エモいのはフィルム写真ではなく、フィルムカメラ本体だと考えています。巻き上げ時の音や感覚・振動にはどことなくエモさが感じられます(若者世代には)。上限があるからこそ、シャッターを切る回数も増える気がします。
Wi-Fi・Bluetooth搭載→×
Yahoo!知恵袋を見ていると、「フィルムカメラってWi-Fiとかでスマホに送れるのありますか?」「BluetoothやWi-Fi機能がついててすぐに携帯に移せるフィルムカメラはありますか?」といった質問がありますが、そのような物はこの世に存在しません。あったとしたら、それはデジタルカメラです。
デジタルカメラでフィルム風の写りを体験したいのであれば、DxO FilmPackやLuminar Neoで加工するか、富士フイルムのフィルムシミュレーション搭載カメラがおすすめです。
ぜひフィルムカメラを始めてみませんか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
*1:レンズキャップをした状態で